『差別意識に気づかぬ専門家たち』

東京都文京区で起きた女児殺人事件。当初は幼稚園受験及び小学受験の結果の明暗が事件の動機と見られていたが、容疑者はその後の供述でこれを否定しているという。

とかく教育や受験というのはニュースにされやすい。そして必ずといってよいほど「学歴」やら「エリート」というキーワードが顔を出す。今回の事件でも「お受験」という言葉が、皮肉的・揶揄(やゆ=からかうこと)的に用いられている。この表現に不愉快さを感じるのは、私だけではないだろう。実際、高学歴やエリートになれたら……とはだれもが望むはず。しかし、だれしもそうなれるわけではない。それが現実であり、その裏返しが「ねたみ」「ひがみ」となって現れているのが、実はこうした不愉快表現なのである。

そもそも世の中で起きている事件に目を向ければ、受験やエリートとはおよそ無関係な原因で起きている事件の方が圧倒的に多い。にもかかわらず、事件に高学歴者が絡んでいるとそれだけで、普段なら載らないような事件が記事・ニュースにされることがある。「○○大学生による犯行」「犯人は○○大学生」……こうした見出しの中にある「差別意識」に気づいている人はどれだけいるのだろう?

差別意識といえば、今回の事件で、教育評論家や大学教授などいわゆる教育の専門家たちが、主婦に対して普段どういう見方をしているのかが明らかになった。「子育てしか自己表現のない主婦」「子供を比べることで母親たちは優劣を競っている」「子供こそが母親たちのステータス」……etc。事件の背景を分析するというカタチをとりつつ、そこで語られるのは、普段これら専門家たちがどういう目で、子を持つ母親(とりわけ専業主婦)たちを見ているのか、なのだった。

自らの発言に含まれている差別意識を気にすることなく、ひたすら冗舌に語るその様子はこっけいである。けれども、こうした考えをもつ人たちが教育の現場に直接・間接的にかかわっているのかと思うと恐ろしくもあり、この事件のもたらした結果のやりきれなさがいっそう深まるのである。

●もちろんすべての教育専門家が差別意識をもっている、などとは思っていませんが……。それにしても、ここぞとばかりに語るあの様子は、やはり首を傾(かし)げざるを得ません。


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