『気になる「セリフの途切れ」』

古いアニメやドラマの再放送を見ていて、時々セリフが途切れることに気づいたことはありませんか?私は、フィルムが古くて傷(いた)んでいるせいだとばかり思っていました。

ところがあるとき、友人にこの話をすると、友人曰(いわ)く、「それは差別用語を消したせい」だとか。以来、私はいっそうセリフの途切れに敏感になりました。確かに途切れる瞬間というのは、人をののしったり、あるいは何らかの障碍(しょうがい)をもつ人を指していう場面です。

友人の話には続きがあります。「差別用語を使うのは確かに許されないことだ。けれども、音声を消してそれでおしまいっていうのは、おかしい。消す作業をするのなら、そのときに、違う声でいいから代わりのセリフを入れるべきだ。音が途切れると不自然で耳につくし、また、話の内容がわからないようになる」つまり、「ヤバイところは消すだけで十分」という放送局の姿勢には大いに疑問を感じるというわけです。

再放送をする以上、置き換えの言葉をきちんと入れ、ちゃんとした作品を放送するべきです。逆に、置き換えの言葉も入れられないほど、差別的な内容であるならば、放送を控えるべきです。セリフをカットするだけで済ませている放送局の態度は、「内容は関係ない。とにかく消しておけばいい」という安易なものといわざるを得ません。

一方で、映像の作り手側の、差別用語に対する認識不足も気になるところです。近年(2000年現在)制作された映画のテレビ放映でも、セリフの途切れがあったのには驚きました。例えば2000年3月25日にテレビ放映された「八つ墓村」(1996年作品)では、2つのシーンでセリフの途切れがありました。

ひとつは、濃茶(こいちゃ)の尼が現れたシーンで、主人公辰弥に春代が言ったセリフ「少し○が変なの、気にせんほうがええわ……」そしてもうひとつ、金田一が濃茶の尼の祭壇にあった掛け軸のことを尋ねたシーンでの、洪禅(こうぜん)和尚のセリフ「尼になってもう恨みが忘れられずに、○がおかしゅうなって……」

最近の作品であるにもかかわわらず……。作った時点では差別用語を使っていることに気がつかず、映画の上映後クレームがついて、カットしたということなのでしょうか?

放送局をはじめ、映像の送り手・作り手側は、もっと真剣に差別用語に取り組むべきではないでしょうか。クレームがついてから消すという、受け身的な姿勢では、いつまでたっても「セリフの途切れ」が消えないように思われるのですが……?

●実はこれ、3年前に一度HP上に掲載したものに加筆修正を加えたものです。今なお「セリフの途切れ」があるのですね(^^;)


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