『便利になる裏で、なくなっていくもの』
フロが変わった。
設定した水量になると自動的に給水(湯)が止まる。設定した温度になると、自動的に追い焚きが止まる。とても便利だ。
しかし、便利だと感じられるのは、その便利さと比べる不便を、当たり前のこととしてやってきた背景があるからだ。はじめからそういうフロしか知らなければ、便利でもなんでもない。
そこでふと思う。これからこういうフロを使う子供たちが多くなるのは当然……だとしたら、旧式のフロ、ただ沸かすだけの機能しかないフロに出会ったとき、いったいどういう反応を示すのだろう?
答えは単純で、タイマーをセットして、アラームが鳴れば給湯なり沸かし直し作業を止めるだけのこと。しかし、なんでも自動で止まるフロしか入ったことのない者に、そういう発想が浮かぶのだろうか。実際、自動で止まるものと思いこんで、ぐつぐつ煮立つまで追い焚きしたりするのでは……。
黒電話をご存じだろうか?そう、ダイヤル式のあの古い電話機である。知っている者なら、「ジーコロコロ、ジーコロ……」とダイヤルを回して使うことを当然だと思っている。ところが、現在のプッシュ式の電話しか使ったことのない子供が黒電話に初めて接したとき、どうやるかというと、数字の部分を押す動作しかできないのだという。
こんな話もある。「野菜ができるところ」と題された絵。小学生が描いたのは、工場の絵だったという。あながち間違いではないかもしれないが……。
本当に便利な世の中になったと思う。けれどもそれは不便な状態を知っていてこそ、感じられるものである。不便だった過程が前提なのである。
インターネットは便利だ、使いこなせるように、子供の時から教えようとよくいわれる。けれども子供の時こそ、不便なやり方で泥まみれにさせるべきだと思う。それでこそ本当に必要なもの、即ち「向上心」「好奇心」「追求心」という気持ちが芽生えるはずである。
●辞書をいちいち引く苦労を知らなければ、ネット検索の便利さはわからないだろうなぁ(^^;)
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