『リンクについての考え方(すべてのWebページは初めからリンクフリー?)』
リンクするのに許可が必要って本当?
インターネットでホームページを見回っていると、「リンクフリー」という言葉を目にすることがあると思います。「このページはリンクフリーです。事前の問い合わせやリンクの連絡は不要です」あるいは「このページはリンクフリーではありません。リンク希望の方は必ず事前にメールでお問い合わせを」が代表例です。
「リンクフリーの表示がない場合はリンク先の承諾をとらなけらばならない」という見方があるようです。しかし本当にリンク先の承諾が必要なのでしょうか?またページ作成者がリンクについての許可を制限することができるのでしょうか?
(なお以下でいうリンクとは、アンカータグ(<a href=""></a>)を使用してアドレス先へジャンプする種類のリンクのことであり、フレーム内にて他ページを参照させるようなリンク及びページ内に他ページを埋め込むカタチで表示させるリンクは除くこととします。)
リンクは情報の「転載」でなく、あくまで情報が記載されているページの「紹介」にすぎない
どうもリンクについては特別な見方があるようです。例えば1997年11月に出された日本新聞協会編集委員会の見解「ネットワーク上の著作権について――新聞・通信社が発信する情報をご利用の皆様に」(これは http://www.yomiuri.co.jp/copyright/pn_copy0.htm 読売新聞社Webサイト内のもの)を見ると、リンクについて「新聞・通信社が発信する情報をご利用の際は、必ず発信元にご連絡ください」という項目で触れられています。しかし、リンクは情報の「転載」でなく、あくまで情報が記載されているページの「紹介」に過ぎません。
例えば、「ページアドレスのみを表記」した次の例で考えてみるとわかりやすいでしょう。
例)ヤフーの天気予報 http://weather.yahoo.co.jp/weather/ は非常に便利でおすすめです。
上記の表現(リンク先ページのアドレス表示)は単なる言及・紹介・参照です。論文に例えるなら、書名と所在(該当ページ)について触れているだけであり、「著作権侵害や名誉毀損、侮辱、プライバシーの侵害等を伴わない限り、公刊された書籍を話題にして会話したり、感想文や書評を書いたり、あるいは参考文献として挙げたりすることが著作権法上の問題ではないのと同様」、承諾の有無は問題にはならないといえます(『ウェブページのリンクおよびその他の利用について』 http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/webpolicy.html より引用)。
ページの「アドレスの公開・紹介・告知」について承諾が必要かどうかが問題の本質
さて、興味を持った閲覧者がリンク先ページを見ようとした場合、自らリンク先アドレスをブラウザのURL入力欄に打ち込みボタンやキーを押すという作業を行うことで、リンク先ページを閲覧することができます。
ところで、「リンクを張る」という行為はこの作業を省略出来るように閲覧者に便宜を図るという意味しか持っていません。つまり、リンクを張ろうと張るまいと、アドレスを表示した場合に閲覧者がリンク先ページを閲覧するという結果に変わりはないわけです。
このように考えると、リンクについての問題はリンクという行為にあるのではなく、実はリンク先ページの「アドレスの公開・紹介・告知」について承諾が必要かどうかが問題の本質となります。
しかし、前述のとおり、単なる言及・紹介・参照について承諾の有無は問題にならない以上、アドレスの公開についても同様のことがいえます。とすれば、閲覧者に便宜を図る意味しかないリンク行為についても同じく承諾の有無は問題となり得ません。
※まさか、文字情報としてページアドレスの紹介は構わないが、リンクを張ってページへジャンプできるようにするのはやめて欲しいという人はいないでしょう?
リンクの前提:『著作物を公開する行為はその責任を伴う』
というわけで、「すべてのWebページは初めからリンクフリー」といえるわけですが、もちろんいくつか前提条件もあると私は考えます。
WWWの発明者であるTim Berners-Leeは、 Links and Law: Myths において、
『他のサイトへリンクを張る前に許可を求めなければならない理由はない』(There is no reason to have to ask before making a link to another site.)
とする一方、その裏返しとして、
『Web上に限らずとも、他人やそのサイトなどについて言及することに対しては、責任が伴う』(You are responsible for what you say about other people, and their sites, etc., on the web as anywhere.)
ともいっています。つまり、著作物を公開する行為はその責任を伴うことも意味するわけです。
だから「著作権侵害や名誉毀損、侮辱、プライバシーの侵害等を伴わない限り」というのは当然、前提条件のひとつです。また、リンク先ページについては、そのページが少なくとも、一般的なサーチエンジンで検索できるページ及びそのページよりたどることのできるページであるならば……という条件も挙げておきます。
▼参考:
- 「マルチメディアと著作権」:
- http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/multi.html
(「Q15無断でリンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか。」を参照のこと) - 「リンクと権利と責任」:
- http://www.kanzaki.com/docs/link-view.html
- 「ウェブページのリンクおよびその他の利用について」:
- http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/webpolicy.html
- 「Netlaw 」:
- http://www.netlaw.co.jp/
#『「リンクフリー」は英語では“リンク拒否”の意味になる』という話もあるようですが、本当なのでしょうか?(^^;)
#上記送信フォームほか、掲示板やチャットでもご意見ご感想お待ちしております。なおいただいた内容は(もちろんプライバシーに配慮したカタチで)日記の話題に取りあげることがあります。あらかじめご了承ください。
サイト目次
■おすすめグッズ
本 / 映画 / 音楽 / テレビ番組 / プレゼント・ギフト / ホーム&キッチン / エレクトロニクス / おもちゃ&ホビー / ダイエット・健康
■おすすめ情報・知識
パソコン / インターネット / メール / ホームページ作成 / CGI / Perl
■おすすめネタ
■おすすめ特集
「Kissin' Christmas CD化」計画 / 「フォーク並び」推進計画 / 追悼ステファン・グラッペリ 他、いろいろ。
■おすすめCGI
■おすすめリンク
サイト内検索
[
↑このページの先頭へ移動する
|
このコーナーの目次を表示する
]
注)このページ自体が目次ページという場合があります。