『日本語変換の秘密その3 IMEのユーザー辞書ファイルを保存しろ!(MS-IME編)』
さて今回は、IMEの「ユーザー辞書ファイル」についてのお話です。
IMEは使いこなして行くほどに、賢くなります。変換処理の効率が高くなるわけです。なぜなら、自動学習機能によりIMEがあなたの変換のクセやよく使う単語を覚えていくからです。また、あなた自身の手により登録された単語も増えることで、IMEの変換処理能力が強化されます。
IMEのそうした「成長の記録」を保存したものが、一般に「ユーザー辞書」と呼ばれるファイルです。これは非常に重要なファイルです。もしこのファイルが壊れたり消失したりすれば、それまでの「成長の記録」が失われてしまいます。一方で、このファイルを他のパソにコピーしてIMEに登録すれば、すぐにあなたのクセにあったIMEを用意することができるわけです。そういう意味では、IMEの「真の頭脳」といえるものです。
そこで心がけたいのが、常日頃からのバックアップ……というわけで、今回はこの「辞書ファイル」を保存しておく上手い方法についてお話します。しかし、代表的なIMEであるATOKとMS-IMEの2つ同時は大変なので、今回はMS-IMEに絞ります。
※一般的な話として……辞書ファイルそのものは「ユーザー辞書」の他にも、標準として「システム辞書」があります。また辞書には種類があって「標準辞書」「郵便番号辞書」「単漢字辞書」などがあります。
上手い方法のあらすじは以下の通りです:
- 管理しやすい場所にフォルダを作成する
- ユーザー辞書ファイルを見つける
- 作成したフォルダにユーザー辞書ファイルをコピーする
- 辞書の設定を、コピーした方のファイルに変更する
まず、あらかじめ管理しやすいフォルダを作成します。「管理しやすい」とは即ち「見つけやすい」フォルダということになります。例えば「c:\01data」などです。ファイル名冒頭を「01……」とすることで、(もうおなじみの)Cドライブを開たとき、一番先頭にこの作成したフォルダがくるので見つけやすいわけです(その他「aaaa」フォルダなどでも結構です)。
さてMS-IMEの場合、標準のユーザー辞書ファイルがどこに保存されているかを知るには、MS-IMEのツールバーを右クリックして「プロパティ」を選択します。そして「辞書/学習」タブを選んで下さい。すると、ユーザー辞書の「辞書名」欄に、次のような感じで、ユーザー辞書ファイルのパス名が記されているはずです。
c:\windows\ime\imejp98\usrdicts\msime98.dic
これが標準設定での、ユーザー辞書ファイルの保存場所です(もちろん、各個人の環境により異なる場合がありますが)。ここで「参照」をクリックすると、ファイルオープンダイアログ画面になりますが、そのときにファイルを選択して右クリックし「コピー」を選べば簡単にコピーできます。そして画面を開いたまま、とりあえずデスクトップにコピーしたファイルを張り付けておきます。
※注)ここで画面を閉じると、張り付けができません。
辞書ファイルをコピーし終わったら、先に作成した「c:\01data」を開いて、もう一つ「dic」フォルダを作成し、その中に、デスクトップにコピーしておいた辞書ファイルを移動させて下さい。
※さらに「dic」フォルダを作成する理由は、直接辞書ファイルをコピーすると、「c:\01data」内に他のファイルが増えてきたときに区別がつきにくくなるのを防ぐためです。
最後に、もう一度MS-IMEのツールバーを右クリックして「プロパティ」を選択〜「辞書/学習」タブ〜「辞書名」欄の参照をクリックし、開いたファイルオープンダイアログ画面から、コピーした辞書ファイルのある場所、即ち「c:\01data\dic\msime98.dic」までたどって、そのファイルを選択すれば、作業完了です。
これで次回からは、この「c:\01data」フォルダをバックアップ(フロッピーやMOなどに、予備のデータをコピーしておくこと)するだけで、辞書ファイルもいっしょにバックアップでき、便利です。もちろん、他のソフトで作成したデータもすべてここに保存すると、バックアップ作業が格段にはかどります。
というわけで、なにやら「普段からのファイル管理法」までやってしまったようですね(笑)。ではまた。
●画像がないけど、わかるでしょうか……(汗)
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