3.浮くものを見つける
浮くもの(救命用具)を見つけ、投げ入れる
水難救助で大事なことは、遭難者に「浮力を与える」こと。浮くことができれば呼吸が確保できます。当然、水難者の生命の危険が減ります。
また、遭難者の気持ちも落ち着かせることもできます。多くの場合、遭難者はパニック状態にあります。パニック状態にある遭難者は、救助活動に対応できません。逆に、救助者に必死にしがみつこうとしたりして、救助を難しいものにします。
そこで一時的にでも浮力を与えることにより、パニックから抜け出させ、気持ちを落ち着かせることが大切というわけです。
よって、まずやるべきことは、周囲に浮くものすなわち救命用具がないか探すこと。これが肝心です。
ライフジャケット(PFD)や浮き輪、ビーチマットがあれば理想的。しかし、次のようなものでも救命用具となり得ます。
- 1.5リットル程度のペットボトル
- ビニール袋(スーパーの買い物袋など。空気を入れて口を縛る)
- クーラーボックス
- ズボン(空気を入れることによって一時的に浮き輪の代わりにできる)
- ビーチボール
- ビーチパラソル(開いた状態)
- タオルや衣類を詰めたバッグあるいはナップサック
- しまって袋に詰めたテント
ペットボトルやナイロン袋の場合、ほんの少し水を入れるのがポイント。水を入れることでそれがおもりとなり、遠くへ(=遭難者の周囲へ)投げ入れることができます。これらをラッコのようにおなかに乗せてつかむことにより、浮き輪がわりに使えるわけです。