8.自分自身が水難事故にあった場合の対処法

助けが来るまで浮いた状態で待つ

水中に落ちてしまった場合、自分自身の力で助かろうともがくのではなく、助けが来るまで浮いた状態で待つほうが、命が助かる可能性が高くなるようです。

具体的には以下のようにして、あおむけの姿勢で呼吸を確保した状態を維持します。

  • パニック状態に陥ることが多いので、まず心を落ち着ける。あばれない。
  • 服はぬがない。体温を守るため(落ちるのは夏とは限らない)、慌ててぬいだりしないほうが良い
  • バタ足、クロールといった水の上に手足を出し入れする動作はしない。
  • あおむけで浮く。移動しなくてもよいから鼻と口を水面にだすようにする(呼吸の確保)
  • ビニール袋、ペットボトルなど近くにあれば、浮くもの(救命用具)として利用する。(ペットボトルやビニール袋に空気を入れ、胸にかかえてあおむけになると浮くことができる。ペットボトルはふたがなくても手で栓をすれば良い。)
  • 疲れてきたら、ペットボトルを首の後ろで枕にする。(息ができるという事が大切)
  • 水中で静かに足を動かす。つまり、空中に身体を出さない動作を心がける。

水の事故のうち、7割から8割の人は着衣状態で溺れています。その場合、衣服の重さで泳ぐことはまず不可能とされています。にもかかわらず、水中に落ちたときのショックでパニック状態になり、無理に泳ごうと手足を動かし続けた結果、体力の消耗や体温の低下により命を失ってしまうのだそうです。

しかし、基本的に人間の体は水に浮くようになっています。そして実は、服を着て靴を履いている状態ではさらに浮きやすくなっています。この浮力をうまく使って水面に浮かび、呼吸を確保することができれば、水に落ちてもより長く生命を維持することができます。

つまり、自力で助かろうと無理に泳いだりせず、衣服を身に着けたまま、体を仰向けにして呼吸を確保し、浮いた状態(いわゆる着衣泳の状態)を維持し、救助を待つことで、命の助かる可能性が高くなるといえるようです。

UITEMATE=「浮いて待て」

最近では、助けが来るまで浮いた状態で待つ(着衣泳状態)ことを「UITEMATE(浮いて待て)」という合言葉で表現する、そうです。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、宮城県の小学校では津波に押し流された子どもや教員が着衣泳を実践し、助かったケースがありました。このことが津波の被害の多いフィリピンやタイなどアジア諸国に紹介されて注目を集め、「UITEMATE(浮いて待て)」という日本語のまま、広まったのだとか(参考:「UITEMATE」は世界中の合言葉! 水に落ちたら「浮いて待て」 命を守る着衣泳を知っていますか?(tenki.jpサプリ 2015年7月14日) - 日本気象協会 tenki.jp)。

以下、「UITEMATE(浮いて待て)」についての関連ページを紹介しておきます。

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