9.[まとめ]水難事故を未然に防ぐことこそ大切
「水難事故を未然にふせぐこと」こそ大切
正しい水難事故対処法を知ることは大切です。しかし、もっと大切なことがあります。それは「水難事故を未然に防ぐこと」です。
正しい水難事故対処法があったとしても、いったん水難事故が起きてしまえば、遭難者そして救助者の生命が危険にさらされることに変わりはありません。また救助作業は、決して簡単なことではありません。
けれども、水難事故を未然に防ぐことは決して難しくはありません。
水難事故を未然に防ぐために必要なことは?
まず、水辺は危険であると認識し、決して無理・無茶はしないこと。これが一番の基本です。例えば、水辺で飲酒しその勢いで水の中に入ったりすれば(例:河川を泳いで渡ろうとする行為など)、水難事故が起きるのも当たり前です。
また子供づれの場合、水辺の子どもから目を離さないこと! これが一番、重要です。子供の水難事故では、保護者がほんのちょっと目を離した隙に溺れていた、というケースが多いのです。
そして、万一の場合を想定して、あらかじめ備えをしておくこと。例えば小さな子供には必ずライフジャケット(救命胴衣)を着用させておく。そうすれば、溺れかけた場合でも最悪の事態を避けられる可能性が高くなります。
ライフジャケットは魚釣りのように直接水には入らない場合でも子供に着用させておくことで、安全が確保できます。というのも、魚釣りの最中に岩場で足を滑らせて溺死するというケースも多いのです。この場合、ライフジャケットの着用の有無で、助かる確率が大きく違ってくるのは明らかです。
同様の理由から、大人であっても水辺に釣りにでかける場合は、ライフジャケットは着用しておくべきです。
また、浮き輪をいくつか持って行っておけば、救命道具として利用することができます。
いずれにしろ、水辺へ出かけるときは「ひょっとしたら水難事故にあうかもしれない」と意識することが大切です。そこから実際に水難事故に対する備えができるといえるでしょう。
注意事項
海や河川などで水遊びをする場合には、次のことに注意しましょう。「水難事故なんて他人事」などと思わず、十分に注意して下さい。
<一般的な注意事項>
- 天候の変化に注意する(特に川遊びの際は、上流部の天候の急変等に注意すること)。
- 増水した川には近づかない。
- 高波や遊泳禁止のときは泳がない。
- 遊泳禁止区域では泳がない。
- 監視員等の警告・注意に従い、無理な泳ぎはしない。
- 単独、無計画な遠泳やダイビング等をしない。
- できるだけ複数で泳ぐ。
- 飲酒後は絶対に水に入らない。
- 泳ぐ前には準備運動を十分に行う。
- 体調の悪い時は水に入らない。
- 睡眠不足や疲労時は、十分休憩をとってから泳ぐ
- 水泳中は適度に休憩をとり、決して無理をしない。
- 魚釣りのように直接水には入らない場合でも、ライフジャケットを着用する。
<子供連れの場合>
- 子供の水遊びや水泳には、必ず保護者や引率者が付き添う。
- 水泳中や水遊び中、水辺にいる子供から目を離さない。
- 子供にはライフジャケットを着用させる。
- 子供たちが危険な場所で水遊びしたり、滑りやすい水路に近づかないよう繰り返し指導する。
- 危険な場所や子供だけでの水遊びを見かけたら自分の子でなくても注意をする。
- 浮き輪を使っているからといって、安心しない。
- 自宅の近くで遊んでいるからといって、安心しない 。