6.救助後に行なうべきこと
救助後に行なうべきことは以下の通りです。
【2013/07/28】リンク切れの修正をしました。ご指摘くださった方に、お礼申し上げます。
【2011/07/22】「4)人工呼吸および心臓マッサージの方法(心肺蘇生法)」の内容を一部、更新いたしました。
【2010/08/22】リンク切れの修正をしました。
【2008/06/23】誤字訂正について。「心肺蘇生法」とするべきところを「心配蘇生法」としていたので、これを修正しました。16日追記の際に、誤変換を見逃してしまったのが原因。うっかりミスとはいえ、ショック&お恥ずかしい……(汗)。ご指摘くださった方に、お礼申し上げます。
【2008/06/16】「4)人工呼吸および心臓マッサージの方法(心肺蘇生法)」に追記しました。
1)意識の確認
まずは意識の確認。意識があれば呼吸・心拍ともにあるのが普通。よって、ひとまず安心といえます。意識がない場合はすみやかに119番へ通報し、救急車を要請しておきます。
2)呼吸の確認
意識がない場合は当然として、意識があっても呼吸が十分でない場合もあるので、やはり呼吸の状態を確認します。
意識がない場合には、まず「気道確保」を行ないます。気道確保とは「あおむけに寝かせた傷病者の額に片手を当て、もう一方の手の人差指と中指の2本をあご先に当て、これを持ち上げ、気道を確保する」方法です。
※参考:気道確保と呼吸の確認(狭山市消防本部のページ)※2013/07/28:リンク切れ確認
呼吸が十分あれば、「回復体位(側臥位。ラテラルポジションとも)」にして傷病者の回復あるいは救急車の到着を待ちます。
回復体位とは「傷病者を横に寝かせ、下あごを前に出し、上側の肘を曲げたのち、上側の膝を約90度曲げ、傷病者が後ろや前に倒れないようにした体位」です。
※参考:回復体位のとらせかた(狭山市消防本部のページ)※2013/07/28:リンク切れ確認
※ちなみに、お酒に酔って気分が悪くなっている人にも有効らしいです。
3)呼吸停止状態の原因確認
呼吸がない場合でも、すぐに人工呼吸をしないこと。まずは呼吸停止の原因の確認を。例えば、のどの異物が原因なら、それを除去しておく必要があります。あるいは万一、毒物による呼吸停止状態の場合、救助者も危険です。
原因が特定できない場合、救助者自身の安全を最優先するという立場から「原因不明の呼吸停止には安易に人工呼吸すべきではない」といえます。
人工呼吸ができない場合には、「気道確保」そして「回復体位」が有効。軽い呼吸停止なら、どちらかの体位で回復する可能性があります。
一方、呼吸停止の原因が明らかな場合、あるいは明らかに救助者に危険がないと判断できる場合は、積極的に人工呼吸を試みるべきといえます。人工呼吸を行なうことで救命の可能性が高くなるからです。
呼吸停止から2分以内に人工呼吸を始めると90%は蘇生(そせい)します。一方、5分後では25%、10分後ではほとんど蘇生できません(いわゆるドリンカーの救命曲線)。また、呼吸停止後は心臓も停止し、脳に酸素が送られない状態が3~4分以上続くと、蘇生しても重大な後遺症が残る恐れもあります
※119番通報を受けてから救急車が事故の現場に到着するまでには、平均5~6分はかかるといわれています。
4)人工呼吸および心臓マッサージの方法(心肺蘇生法)
人工呼吸および心臓マッサージの方法(心肺蘇生法)の概要は、以下の通りです。なお、変化がなくても30分くらいは続ける覚悟で行うこと。あきらめずにやることが重要です。
【2008/06/16追記】「このページに記載された心肺蘇生法は2000バージョンで、現在は2005バージョンがある」という内容の感想メールをいただきました(情報ありがとうございます)。
心肺蘇生法については、「AHAガイドライン2005」という国際ガイドラインがあるそうです(AHA:American Heart Association=アメリカ心臓協会のこと)。このガイドラインについては、アマゾンで「AHA 2005」などをキーワードに検索してみると、翻訳や参考文献を見つけることができます。
ただ、いずれにしても、ここで今すぐ再掲載はできないため、とりあえず「心肺蘇生法(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』のページ)」や「あなたにもできる心肺蘇生法(2005)」(三田市のページ)(※2013/07/28:リンク切れ確認)などを紹介させていただきます。
というわけで、以下の情報は「2000バージョン」ということをあらかじめご了承下さい。
【2011/07/22追記】「現在の心肺蘇生法は人口呼吸2回と胸骨圧迫30回です。訂正お願い致します」という内容の感想メールをいただきました(情報ありがとうございます)。というわけで以下の情報について、心肺蘇生法の説明を一部、更新させていただきました(おそらく2005バージョンになったと思います)。
ただし、あくまで参考情報としてお読みください。心肺蘇生法については、ページ末尾の各消防局の説明ページなども確認するようお願い致します。
<1>人工呼吸
1)気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差指で傷病者の鼻をつまむ。
2)口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにする
3)約2秒かけて胸が軽くふくらむ程度に、息をゆっくり2回吹き込む。
もし、傷病者に傷や出血があってできない場合や、救助者の皮膚や口の周りに傷がある場合、口(くち)対口の人工呼吸を行わないで心臓マッサージのみを行ってもよい。
<2>「循環の微候」を確認
傷病者の口に耳を近づけて、次の3点を10秒以内に調べる。
1)呼吸をしているか?
2)咳をしているか?
3)体に何らかの動きが見られるか?
3点のいずれかが見られる場合は、循環のサインあり=心停止でないと判断する。 見られなければ、循環のサインなしと判断し、直ちに心臓マッサージ(心肺蘇生法)を開始する。
<3>心肺蘇生法
30回の心臓マッサージと、2回の人工呼吸のサイクル(30:2)を繰り返す。
1)最初に、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回を1サイクルとして、2分間に5サイクル行った後に、循環のサインの有無を10秒以内に調べる。
2)その後は、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回のサイクルを繰り返し、2~3分ごとに循環のサインの有無を10秒以内に調べる。
循環のサインが見られた場合には、次のようにします。
3)呼吸が不十分であれば、人工呼吸のみを継続する。この場合、1回の吹き込み時間に約2秒かけて、5秒に1回の速さで行う。
4)十分な呼吸も見られるならば、気道を確保しながら回復体位にする。
以上を、救急隊員が到着するまで続けます。
【2011/07/22追記】心肺蘇生法を行っている途中で、AED(エーイーディー:自動体外式除細動器)が届いた場合は、すぐにAEDを使う準備を始めます。
心肺蘇生法のより具体的かつ詳細な内容については、消防局など専門のページが多数ありますので、それらのページをご覧いただくのが一番です。
参考として、以下のページを挙げておきます。
■心肺蘇生法の参考ページ
●一般市民向け 応急手当WEB講習|総務省消防庁
→e-ラーニングで応急手当の基本知識が学べるページ。心肺蘇生法など応急手当の手順を動画で確認・学習することができます。
●心肺蘇生法の流れ(和歌山県田辺市消防本部のページ)
→心肺蘇生法、AED操作の手順
豊富な写真と詳細な説明文により、具体的な手順を確認できます。
●救命処置の手順(心肺蘇生法)|花巻市
→心肺蘇生法の紹介ほか、「応急手当の目次ページ」では、応急手当の基礎知識、救命処置のながれ、AEDの使用方法、日常的な応急手当のしかたなども掲載されています。
●応急処置マニュアル(名取市消防本部のページ)
→応急手当動画が配信されていて、心配蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使い方がビデオ映像で見られます。
●02.上級救命講習会(豊島消防団第7分団)※2013/07/28:リンク切れ確認
→「ドリンカーの救命曲線」の図と説明が掲載されています。